「五輪招致」を勝ち取ったプレゼン
日本語・英語全文掲載

 

2020年夏のオリンピックとパラリンピックの開催都市が、東京に決まりました。IOC=国際オリンピック委員会の総会で、東京の招致委員会メンバーはどのようにアピールしたか。最後のプレゼンテーションの内容を、日本語と英語で全文掲載します。

2013/09/08
NHK WEB


まず、高円宮妃久子さま

(英仏語で奇跡の4分45秒スピーチの要旨)

 

まず、日本国民を代表して御礼申し上げたいことがございます。
2011年、大きな地震、そして津波を体験しました。
国際オリンピック委員会(IOC)と関係者の皆様は、深い同情の念を表していただきました。
私どもはそれに対する感謝の気持ちは一生忘れません。
私は個人として、IOCの皆様に心から感謝したいと思います。
IOCの特別な支援「ツバサ・プロジェクト」は、若い選手たちに、笑顔と希望をもたらしてくれました。
日本語の「ツバサ」は、英語で「ウイング」という意味です。
この翼を得て、未来へ、そして夢へ飛び立とうとしています。
私たちのような皇族がこのように話をすることは初めてかもしれません。
しかし、日本の皇族は常にスポーツを支援してきました。
私の亡くなった夫はスポーツマンでした。
私は9つのスポーツ組織の名誉総裁を務めています。そのため、非常に多忙です。
「チームジャパン」がこれからプレゼンテーションを始めます。
説得力のあるものとして聞いていただけると思います。
今回、このような機会を与えてくれたことを、感謝いたします。

 

 

(「皇室は招致活動に関与しない」との前提での出席だったため、直接、東京への投票を呼び掛ける言葉はなかった。)

 

 


佐藤 真海選手

 

Mr President… Distinguished members of the IOC…
I am Mami Sato. And I am here because I was saved by sport. It taught me the values that matter in life. The values that Tokyo 2020 is determined to promote worldwide. Today, that global vision will be outlined by:
President Tsunekazu Takeda…
Prime Minister Shinzo Abe…
Governor Naoki Inose…
Bid CEO Masato Mizuno…
Bid ambassador Christel Takigawa...
And double silver medallist Yuki Ota.
Please allow me to return to my story.
I was nineteen when my life changed. I was a runner. I was a swimmer. I was even a cheerleader. Then, just weeks after I first felt pains in my ankle, I lost my leg to cancer. Of course, it was hard. I was in despair. Until I returned to university and took up athletics.
I found that I enjoyed setting a goal - and beating it. I developed new confidence. Most of all, I learnt that what was important was what I had, not what I had lost.
I competed at the Paralympic Games in Athens and Beijing. I felt privileged to have been touched by the power of sport. And I was looking forward to London 2012.
Then came the 11th of March 2011.
The tsunami hit my hometown. For six days I did not know if my family were still alive. And, when I did find them, my personal happiness was nothing compared to the sadness of the nation.
I collected messages from schools and took them home… And shared with the people my own experiences. I also took food supplies. And other athletes did the same. Together, we organised sport activities to help restore confidence.
Only then did I see the true power of sport… To create new dreams and smiles. To give hope. To bring people together.
More than 200 athletes… Japanese and international… making almost 1,000 visits to the affected area… are inspiring more than 50,000 children.
What we have seen is the impact of the Olympic Values as never before in Japan. And what the country has witnessed is that those precious Values… Excellence, Friendship and Respect… can be so much more than just words.

 

(日本語訳)
会長そしてIOCの委員の皆様
佐藤真海です。
私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです。スポーツは私に人生で大切な価値を教えてくれました。それは、2020年東京大会が世界に広めようと決意している価値です。
本日は、そのグローバルなビジョンについてご説明いたします。
招致委員会理事長、竹田恆和。
内閣総理大臣、安倍晋三。
東京都知事、猪瀬直樹。
招致委員会副理事長兼専務理事、水野正人。
招致アンバサダー、滝川クリステル。
そして、過去2大会での銀メダリストである太田雄貴選手です。
私自身の話に戻らせていただきたいと思います。
19歳の時に私の人生は一変しました。私は陸上選手で、水泳もしていました。また、チアリーダーでもありました。そして、初めて足首に痛みを感じてからたった数週間のうちに、骨肉種により足を失ってしまいました。
もちろん、それは過酷なことで、絶望の淵に沈みました。でもそれは大学に戻り、陸上に取り組むまでのことでした。
私は目標を決め、それを越えることに喜びを感じ、新しい自信が生まれました。そして何より、私にとって大切なのは…私が持っているものであって、私が失ったものではないということを学びました。
私はアテネと北京のパラリンピック大会に出場しました。スポーツの力に感動させられた私は、恵まれていると感じました。2012年ロンドン大会も楽しみにしていました。
しかし、2011年3月11日、津波が私の故郷の町を襲いました。
6日もの間、私は自分の家族がまだ無事でいるかどうかわかりませんでした。そして家族を見つけ出したとき、自分の個人的な幸せなど、国民の深い悲しみとは比べものにもなりませんでした。
私はいろいろな学校からメッセージを集めて故郷に持ち帰り…私自身の経験を人々に話しました。食糧も持って行きました。ほかのアスリートたちも同じことをしました。私達はいっしょになってスポーツ活動を準備して、自信を取り戻すお手伝いをしました。
そのとき初めて、私はスポーツの真の力を目の当たりにしたのです。
新たな夢と笑顔を育む力。
希望をもたらす力。人々を結びつける力。
200人を超えるアスリートたちが、日本そして世界から、被災地におよそ1,000回も足を運びながら50,000人以上の子どもたちをインスパイアしています。
私達が目にしたものは、かつて日本ではみられなかったオリンピックの価値が及ぼす力です。そして、日本が目の当たりにしたのは、これらの貴重な価値…卓越、友情、尊敬…が、言葉以上の大きな力をもつということです。

 

 


竹田 恆和理事長

 

Dear friends…
That feeling…that only sport can give… touches the whole world.
Mr President, the Olympic Movement has enjoyed a golden era of more than 20 years. Because of clear and strong leadership. Because of the strategic decisions of its members. And because of its timeless values.
New generations of young people have benefitted. And I'm delighted that one of them is here: the first ever Youth Olympic Games gold medallist, triathlete Yuka Sato.
We are proud that our athletes have competed since Stockholm, in 1912. And prouder still that they have competed in the true spirit of Olympism, with not a single Japanese athlete ever failing a doping test at the Olympic and Paralympic Games
Not just because of legislation. But because of a long-standing and unified approach by Government, the NOC and the National Federations, who all agree that we must support athletes and uphold the integrity of the Olympic Values.
That commitment to the Olympic Values is at the heart of this, our second consecutive bid. A bid in which we have focused on what matters to you today.
First, which city will best continue the financial and sporting success of the Movement. Second, which city offers guaranteed delivery of superb Games.
And finally, which city goes beyond a national agenda and has a global vision… to promote the Olympic Values in this challenging era for sport.
These days, sport itself is in competition and, too often, its credibility is at stake. Because of doping, illegal betting and match fixing.
In Japan, in the last two years, we have seen the BEST of sport. It has inspired our global vision and fed our determination to share that inspiration - so that the entire Olympic Family benefit from our three core strengths:
Delivery: because Tokyo can be trusted to be the safe pair of hands - and much more. Celebration: because Tokyo will host an incredible city-centre party; like never before And Innovation: because Tokyo will offer all its creativity and technology to benefit sport worldwide.

 

(日本語訳)
皆様
あのフィーリング…スポーツだけが与えることができる、全世界を感動させます。
会長、オリンピック・ムーブメントは20年以上も黄金期を謳歌しています。それは、明確で強固なリーダーシップ、委員の皆様の戦略的な決定、そして、このムーブメントの時間を超えた価値によるものです。若者たちの新しい世代が恩恵を受けています。そして嬉しいことに、その若者の一人が今ここに来ています。
ユースオリンピック競技大会の最初の金メダリスト、トライアスロンの佐藤優香選手。
私達は、1912年ストックホルム大会に初めて参加して以来、大会に選手団を送り出してきたことを誇りに思っています。そして、日本のアスリートたちがオリンピズムの真の精神のもとで大会に参加してきたことは、なお一層の誇りです。オリンピック・パラリンピック競技大会でドーピング違反をした日本のアスリートは一人もおりません。それは法令があったからということだけではなく、政府、NOC、国内連盟による、長期にわたる統合されたアプローチによるものです。これらの組織はすべて、私達がアスリートをサポートし…オリンピックの価値の高潔さを守らなくてはいけないということに、同意しています。
オリンピックの価値へのコミットメントは、私達のこの二度目の招致の核心にあります。
皆様方にとって今日、重要なことに焦点を置いた招致…
第一に、オリンピック・ムーブメントの成功を、財政的にもスポーツ的にも一番継続させることができるのはどの都市なのか。
第二に、大会を確実に成功に導くのはどの都市なのか。
そして最後に、スポーツが直面しているこの困難な時代に、一国としての問題を超え、グローバルなビジョンで、オリンピックの価値を推進できるのは、どの都市なのか。
現代ではスポーツそのものが競争状態にさらされており、また、スポーツの信頼性が問題になることも非常に多くなっています。ドーピング、違法賭博、八百長行為。日本では、この2年間にスポーツの最高の面を見てきました。それは、我々のグローバルなビジョンにインスピレーションを与え…そして、そのインスピレーションを共有しようという私達の決意をもたらしました。東京の有する3つの強さは、全てのオリンピック・ファミリーに恩恵をもたらします。
・Delivery:なぜなら東京は、万全な大会開催、そしてそれ以上を提供します。
・Celebration:なぜなら東京は、かつてないような、すばらしい都心での祝祭を実現します。
・Innovation:なぜなら東京は、世界中のスポーツに恩恵をもたらすため、東京の有する創造性とテクノロジーのすべてを提供するからです。

 

 


水野 正人副理事長

 

Dear friends…
Those three strengths add up to one word: opportunity.
Tokyo 2020 offers a gateway to the vast, young continent of Asia. Home to more than four billion people… including more than one billion young people. In fact, more young people live inside this circle than outside.
Tokyo will offer seven years for your sports to grow in this important market. The Games will deliver the biggest live primetime TV audience in history. The biggest local ticketing market. And the greatest possible commercial success.
Already, our bid has 21 corporate sponsors, and the JOC is experiencing record sponsorship levels.
Corporate Japan will support the Games, and ensure the IOC can focus on your own crucial programmes to promote Olympism worldwide.
Our pioneering plan also offers a model of how to host the Games in the centre of a major city. The starting point was our strong proposal from the 2016 bid. Which we improved, thanks to input from the IOC, athletes, IFs and NOCs. I will give three examples.
First, the Village, which is now in a much better place… and bigger. And with a bed for every athlete.
Second, the new Olympic Stadium, which will be a major new landmark… and where every athlete can have a seat to enjoy the Opening Ceremony.
And third an even more compact venue plan.
I will conclude in French.

[IN FRENCH]
Je l’ai de ja dit plusieurs fois, mais jamais en Francais : nous avons garde le meilleur et ameliore le reste.
(I have said it many times before but never yet in French: we have kept the best and improved the rest!)
Finalement, laissez-moi vous dire l'emotion et la gratitude que m'inspirent les amities que nous avons tissees au fil de ces vingt annees passees.
(Finally, let me say what emotion and gratitude I feel at the friendships we have forged over the past 20 years.)
Aujourd'hui, au nom de ces amities solides, je fais appel a votre confiance.
(Today, in the name of those firm friendships, I call upon your trust.)

Maintenant, je vous propose de decouvrir notre projet. Avec comme guide une medaillee de bronze en natation synchronisee, Mikako Kotani.
(Now, let’s take a look at our plans with our host, Synchronised Swimming bronze medallist Mikako Kotani…)

 

(日本語訳)
皆様
3つの強さは、1つの言葉で表されます。すなわち、「機会」です。
2020年東京大会は、広大で若いアジア大陸への玄関口となります。40億人以上の人々が暮らし…その中には10億人以上の若者が含まれます。

事実、この円の外よりも円の中に、より多くの若者が住んでいることが分かります。東京は、この重要な市場で皆様のスポーツが成長できる7年間を提供します。2020年東京大会では、ゴールデンタイムにテレビの生中継を見る視聴者の規模は、史上最大となります。最大の地元の観戦チケット市場と…商業面での最大限の成功がもたらされます。
我々の招致はすでに21の企業スポンサーを得ています…また、JOCは記録的なレベルでのスポンサーシップを獲得しています。
日本の経済界が大会を支援し…そして、IOCが確実に、世界中にオリンピズムを推進するという独自の大変重要なプログラムに集中できるようにします。
我々の先駆的な計画は、大都市の中心で大会を開催するモデルを提供します。その出発点は、2016年大会招致の強固な計画でした。IOC、アスリート、IF、NOCのアドバイスを得て、その計画をさらに改善してきました。3つの例をご紹介しましょう。
一つ目は、選手村です。より良いロケーションになり、面積も増えました。そして、全アスリートにベッドを提供します。
二つ目は、新しいオリンピックスタジアム。重要な新しいランドマークとなるでしょう。そして、そこではアスリート全員が開会式を座席で楽しむことができます。
そして三つ目は、さらにコンパクトな会場計画です。フランス語で締めくくりたいと思います。

[フランス語]
私はこれまでに何度もこのことを申し上げてきましたが、フランス語で述べるのは初めてです。私達はよい部分をそのまま残し、さらなる改善を行ってきました。
最後に、これまでの20年間に培ってきた友情に大きな感動をおぼえるとともに、心から感謝いたします。本日、その固い友情の名のもとに、皆様から信頼していただけることを願っています。
では、シンクロナイズドスイミングの銅メダリスト、小谷実可子さんの案内で、私達の計画をご覧いただきましょう。

 

 


猪瀬 直樹知事

 

Mr President…
Tokyo is a city that is dynamic… yet also peaceful, reliable, safe and stable. A city blessed with world-class infrastructure… and still investing to improve further. And a city that is a global landmark for young people.
Our infrastructure will be put at your service to guarantee delivery in all the vital areas, such as accommodation and security.
We will also deliver in transport thanks to our existing network. In Tokyo, in 2020,everyone will arrive on time… every time.
Finally, we will deliver in legacy, for the city and for sport, thanks to our Games Hosting Fund of four point five billion US dollars ? ready right now to pay for 10 new permanent venues.
We are investing to meet the long-term needs of the city and to put a renewed emphasis on sport in the heart of the city and in the hearts of thirty-five million people. In legacy, the Olympic Village will be the biggest housing development in Tokyo for decades. It will also feature the International Exchange Plaza, which will accommodate cultural, education and sporting bodies ? domestic and international. And so, to quote from the city’s long-term urban strategy: “Help to create a society where everyone can enjoy sport and children are given dreams.”
All this in a city which offers a unique welcome. Christel will tell you more. She will speak in French.

 

(日本語訳)
会長、
東京は、ダイナミックでありながら、平和で、信頼のおける、安全で安定した都市です。東京は、世界水準の素晴らしいインフラを有し、それをさらに発展させるため、投資を続けています。そして、若者たちにとっては、世界的なランドマーク(標)である都市です。
私たちは、大会を確実に成功に導くため、宿泊やセキュリティといったすべての重要な分野において、東京が擁するインフラを提供いたします。
輸送面でも交通網がすでに整備されており、確実な能力を有しています。この大会が開かれる2020年の東京では、誰もが常に時間通りに目的地へ到着することができるのです。
そしてまた私たちは、大会開催によって都市とスポーツに新しいレガシーをもたらします。45億米ドルもの大会開催準備基金がそれを可能にします。大会が終わった後も、常設のスポーツ施設として残る10の競技会場整備に必要な資金をすでに保有しているのです。
私たちは、東京という都市の長期的なニーズを満たすために投資をしています。都市の中心で、そして、3,500万人の人々の心の中で、スポーツが新たな重みを持つのです。
選手村は、向こう数十年にはない規模での東京の都心における最大級の住宅開発となり、大会のレガシーとして残ります。大会後には、文化や教育、スポーツ機能を包含する国内外の人々に開かれた国際交流プラザが誕生します。東京の長期的な都市戦略にも掲げているとおり、「誰もがスポーツに親しみ、子供たちに夢を与える社会」を創っていきます。
これらの全てを兼ね備えた東京は、日本、東京ならではの歓迎の気持ちで、世界中の皆さんをお迎えしたいのです。
滝川クリステルさんが、皆様にもっとお伝えします。彼女はフランス語で話します。

 

 


滝川 クリステルさん

 

Nous vous offrirons un accueil vraiment unique.
(We will offer you a unique welcome.)
En japonais, il est possible de le decrire avec un seul mot : o-mo-te-na-shi.
(In Japanese, I can describe it in one unique word: omotenashi.)
L’omotenashi, c’est un sens profond de l’hospitalite, genereux et desinteresse…
(It means a spirit of selfless hospitality…)
Qui remonte a l’epoque de nos ancetres…
(One that dates back to our ancestors…)
Et qui est depuis reste ancre dans la culture ultra-moderne du Japon.
(Yet is ingrained in Japan’s ultra-modern culture.)

Cet ≪ Omotenashi ≫ explique pourquoi les Japonais prennent autant soin les uns des autres, de la meme facon qu’ils prennent soin de leurs invites.
(‘Omotenashi’ explains why Japanese people take care of each other… and our guests... so well.)
Laissez-moi vous donner un exemple.
(Let me give you just one example.)
Si vous perdez quelque chose, vous etes presque surs de le retrouver.
(If you lose something, you will almost certainly get it back.)
Meme de l’argent liquide.
(Even cash.)
Rien que l’annee derniere, plus de 30 millions de dollars en cash ont ete rapportes a la police de Tokyo.
(In fact, last year, more than 30 million US dollars in lost cash was handed in to Tokyo police.)
D’apres un recent sondage portant sur l’avis de soixante-quinze mille voyageurs, Tokyo est la ville la plus sure du monde.
(Tokyo is the safest city in the world, according to a recent survey of 75,000 global travellers.)
Ils ont egalement elu Tokyo numero 1 :
・Pour la qualite de ses transports publics
・Et pour la proprete de ses rues.
(They also voted Tokyo number one for:
・best public transport
・cleanest streets)
Tokyo est aussi considere comme ayant les chauffeurs de taxis les plus sympathiques du monde.
(…and even the friendliest taxi drivers.)

Vous ressentirez cette qualite de vie dans tous les quartiers.
(In every district, you will see these assets.)
Vous allez decouvrir notre culture traditionnelle…
(Traditional eastern culture)
Vous pourrez profiter des plus belles boutiques et des meilleurs restaurants, dans la ville qui compte le plus d’etoiles Michelin au monde.
(And the best in western shopping and restaurants, in the city with the biggest number of Michelin Stars in the world …)
Tout cela, reuni dans un paysage urbain futuriste.
(All combined in a futuristic cityscape.)
Le quartier d’Odaiba, ou je travaille, est le centre de notre vision pour des Jeux parfaitement integres au centre-ville…
(The Odaiba district, where I work, is the heart of our vision for the first-ever ‘downtown’Games…)
les premiers Jeux en plein c?ur d’une metropole…
(Fully integrated with the city-centre…)
Pour que la culture et le sport s’unissent de maniere unique.
(so that culture, life and sport come together in a unique way.)
Des parcours pour les fans, des live sites et des animations ouvertes a tous relieront les nombreux sites des Jeux…
(Fan trails… live sites… and non-ticketed events will link many venues…)
Creant une ambiance incroyable…
(creating an incredible atmosphere…)
et laissant a tous les visiteurs, des souvenirs pour la vie…
(and providing every visitor with memories to last a lifetime.)

 

(日本語訳)
東京は皆様を、ユニークにお迎えします。
日本語ではそれを「おもてなし」という一語で表現できます。
それは、見返りを求めないホスピタリティの精神、それは先祖代々受け継がれながら、日本の超現代的な文化にも深く根付いています。「おもてなし」という言葉は、なぜ日本人が互いに助け合い、お迎えするお客様のことを大切にするかを示しています。
ひとつ簡単な例をご紹介しましょう。もし皆様が東京で何かを失くしたならば、ほぼ確実にそれは戻ってきます。
たとえ現金でも。実際に昨年、現金3,000万ドル以上が、落し物として、東京の警察署に届けられました。

世界を旅する75,000人の旅行者を対象として行った最近の調査によると、東京は世界で最も安全な都市です。この調査ではまた、東京は次の項目においても第1位の評価を受けました。
・公共交通機関
・街中の清潔さ
そして、タクシーの運転手の親切さ、においてもです。
あらゆる界隈で、これらの資産を目にするでしょう。東洋の伝統的な文化…そして最高級の西洋的なショッピングやレストランが、世界で最もミシュランの星が多い街にあり…全てが、未来的な都市の景観に組み込まれています。私が働いているお台場は、史上初の“ダウンタウン”ゲームズを目指す我々のビジョンの中心地でもあります…それは都心に完全に融合し…文化、生活、スポーツがユニークに一体化します。ファントレイル…ライブサイト…チケットを必要としないイベントが、共有スペースにおいて、多くの競技会場を結び、素晴らしい雰囲気を創り出します。
来訪者全てに、生涯忘れ得ぬ想い出をお約束します。

 

 


太田 雄貴選手

 

Imagine living in the heart of that city. Waking up to stunning waterfront views… Competing in venues you can see from your bedroom… All just a short walk from some of the coolest parts of a city that is a world capital of youth culture.
This is what athletes can look forward to in Tokyo.
As an athlete, I am proud to say our views have been taken on board. So, for example, the Village will be the centre of our Games…both in spirit and geography.
Athletes from every country will also enjoy passionate support from Japanese fans who really know sport, and appreciate fair play.
Last summer, more than five hundred thousand took to the streets of Tokyo ? on a weekday ? to celebrate with us London 2012 athletes. Just look at the pictures and imagine that passion in 2020.
Every venue will be filled. Every sport will sparkle. Tokyo will deliver an incredible platform for the promotion of the Olympic Movement.
Promotion that will go hand-in-hand with the worldwide appeal of Japan’s youth culture whose animated heroes inspired real life stars such as Messi, Kaka and Uchimura… as well as many children, in many countries, to take up their favourite sport.
And promotion also based on innovation. Imagine technology such as next generation motion tracking in sports presentation, in live sites… and more.
All to connect more young people with sport so that they, like me, can grow through its values ? in Japan, and around the world, as Prime Minister Abe will confirm.

 

(日本語訳)
想像してみてください…東京という都市のまさに中心で生活することを。目覚めれば素晴らしい水辺の景色があることを…寝室から見える競技会場で競技することを…すぐ近くには、若者文化の世界的な中心である最もクールな地区。これが東京でアスリートが期待できることです。
アスリートとして、私達の視点が取り入れられているのを誇りに思います。例えば、選手村は2020年東京大会の中心です…精神においても…地理的にも…
どの国からいらっしゃるアスリートも熱烈なサポートを楽しみにしていただけます。知識が豊富で、アスリートの活躍とフェアプレーを尊ぶ日本のファンから。
昨夏、私達2012年ロンドン大会の出場アスリートを祝福するために、平日にも関わらず、50万人を超える人々が東京の都心に繰り出しました。これらの画をご覧ください…
そして、2020年でのこの情熱を想像してください。
各会場は満席になるでしょう。
全てのスポーツが光り輝くでしょう。
東京は、オリンピック・ムーブメントをプロモーションするための、素晴らしいプラットフォームを確実に開催します。
そのプロモーションは日本の若者文化を世界規模にアピールすることと共に進めていきます。メッシ、カカや内村選手などの実在するスター選手が、アニメのヒーロー達から刺激を受けました。同様に、あらゆる国々から多くの子どもたちを、彼らが好きなスポーツへと導きます。
イノベーションに基づいたプロモーション…それはたとえば次世代のモーショントラッキングのようなテクノロジーを、スポーツ関連のプレゼンテーションやライブサイト、それ以外の所でも利用している場面を想像してください。
そのすべてが、より多くの若者をスポーツに結びつけます。そして彼らは、私のように、その価値を通して成長することができます…日本で、そして世界中で…安倍首相が説明します。

 

 


安倍 晋三首相

 

Mister President, distinguished members of the IOC...
It would be a tremendous honour for us to host the Games in 2020 in Tokyo ? one of the safest cities in the world, now... and in 2020.
Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you,
the situation is under control. It has never done and will never do any damage to Tokyo. I can also say that, from a new stadium that will look like no other to confirmed financing, Tokyo 2020 will offer guaranteed delivery.
I am here today with a message that is even more important. We in Japan are true believers in the Olympic Movement. I, myself, am just one example.
When I entered college in 1973, I began practicing archery. Can you guess why? The year before, in Munich, archery returned as an Olympic event after a long time.
My love of the Olympic Games was already well-established. When I close my eyes vivid scenes from the Opening Ceremony in Tokyo in 1964 come back to me. Several thousand doves, all set free at once. High up in the deep blue sky, five jet planes making the Olympic rings. All amazing to me, only 10 years old.
We in Japan learned that sports connect the world. And sports give an equal chance to everyone. The Olympic spirit also taught us that legacy is not just about buildings, not even about national projects. It is about global vision and investment in people.
So, the very next year, Japan made a volunteer organization and began spreading the message of sports far and wide. Young Japanese, as many as three thousand, have worked as sports instructors in over 80 countries to date. And they have touched the hearts of well over a million people through their work.
Distinguished members of the IOC, I say that choosing Tokyo 2020 means choosing a new, powerful booster for the Olympic Movement.
Under our new plan, "Sport for Tomorrow," young Japanese will go out into the world in even larger numbers. They will help build schools, bring in equipment, and create sports education programs. And by the time the Olympic torch reaches Tokyo in 2020, they will bring the joy of sports directly to ten million people in over one hundred countries.
Choose Tokyo today and you choose a nation that is a passionate,
proud, and a strong believer in the Olympic Movement. And which strongly desires to work together with the IOC in order to make the world a better place through the power of sport.
We are ready to work with you. Thank you very much.

 

(日本語訳)
委員長、ならびにIOC委員の皆様、東京で、この今も、そして2020年を迎えても世界有数の安全な都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこのうえない名誉となるでありましょう。
フクシマについて、お案じの向きには私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。
さらに申し上げます。ほかのどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで、2020年東京大会は、その確実な実行が、確証されたものとなります。
けれども私は本日、もっとはるかに重要な、あるメッセージを携えてまいりました。

それは、私ども日本人こそは、オリンピック運動を、真に信奉する者たちだということであります。この私にしてからが、ひとつの好例です。
私が大学に入ったのは、1973年、そして始めたのが、アーチェリーでした。一体どうしてだったかおわかりでしょうか。
その前の年、ミュンヘンでオリンピックの歴史では久方ぶりに、アーチェリーがオリンピック競技として復活したということがあったのです。
つまり私のオリンピックへの愛たるや、そのときすでに確固たるものだった。それが窺えるわけであります。
いまも、こうして目を瞑りますと、1964年東京大会開会式の情景が、まざまざと蘇ります。いっせいに放たれた何千という鳩。紺碧の空高く、5つのジェット機が描いた五輪の輪。何もかも、わずか10歳だった私の、目を見張らせるものでした。スポーツこそは、世界をつなぐ。そして万人に等しい機会を与えるものがスポーツであると、私たちは学びました。
オリンピックの遺産とは、建築物ばかりをいうのではない。国家を挙げて推進したあれこれのプロジェクトのことだけいうのでもなくて、それは、グローバルなビジョンをもつことだ、そして、人間への投資をすることだと、オリンピックの精神は私たちに教えました。
だからこそ、その翌年です。日本は、ボランティアの組織を拵えました。広く、遠くへと、スポーツのメッセージを送り届ける仕事に乗り出したのです。
以来、3000人にも及ぶ日本の若者がスポーツのインストラクターとして働きます。赴任した先の国は、80を超える数に上ります。
働きを通じ、100万を超す人々の心の琴線に触れたのです。
敬愛するIOC委員の皆様に申し上げます。
2020年に東京を選ぶとはオリンピック運動の、ひとつの新しい、力強い推進力を選ぶことを意味します。なぜならば、我々が実施しようとしている「スポーツ・フォー・トゥモロー」という新しいプランのもと、日本の若者は、もっとたくさん、世界へ出て行くからです。学校をつくる手助けをするでしょう。スポーツの道具を、提供するでしょう。体育のカリキュラムを、生み出すお手伝いをすることでしょう。
やがてオリンピックの聖火が2020年に東京へやってくるころまでには、彼らはスポーツの悦びを、100を超す国々で1000万になんなんとする人々へ、直接届けているはずなのです。
きょう、東京を選ぶということ。それはオリンピック運動の信奉者を情熱と、誇りに満ち、強固な信奉者を選ぶことにほかなりません。スポーツの力によって、世界をより良い場所にせんとするためIOCとともに働くことを、強くこいねがう、そういう国を選ぶことを意味するのです。
みなさんと働く準備が、私たちにはできています。有難うございました。

 

 


竹田 恆和理事長

 

Mr President, dear colleagues…
I stand here after a lifetime of education and inspiration through sport.
When I was a teenager, it was sport that opened my eyes to the world. When I became an Olympian, it was sport that taught me about competing at the very highest level ? in a unique spirit, making enduring friendships, including with many of you.
And, in the last two years, sport has shown me time and again how it can connect and inspire ? from the visits of Mami Sato and others, to the smiling volunteers of London 2012, and the massive crowd for the athletes' parade in Tokyo.
I am lucky, so lucky, to have seen great athletes, inspiring performances and the Olympic Values made real.
My goal and that of my entire team is to do everything we can to promote sport, faithful to the Olympic Values, to as many people as possible in this challenging era.
In my travels in support of this bid, I have spoken with many of you about the issues we face. And I'm optimistic that our shared desire to move forward together will safeguard sport for new generations.
Mr President, dear friends…
That journey starts here in Buenos Aries.
These next few days will help set the course of the Movement for many years to come. Which is why there is a huge responsibility to make crucial decisions, for the right reason: the benefit of global sport
Our case today is simple.
Vote for Tokyo, and you vote for guaranteed delivery.
Vote for Tokyo, and you vote for a superb Games experience in every possible sense.
Vote for Tokyo, and you vote for a global vision to benefit sport… from today to 2020 and many decades afterwards. Tokyo is the right partner at the right time.
A city that will deliver. A nation that shares and upholds the Olympic Values. And people who will work tirelessly with you, in support of those precious values.
Today, on behalf of my team, and all Japan, I am proud to submit our bid. And also to give you my personal guarantee that Tokyo 2020 will see major legacies delivered… massive opportunity realised… and sport, the Olympic Movement itself, as the biggest WINNER!
Mr President, this concludes our presentation. Thank you.

 

(日本語訳)
会長、皆様…
私は、スポーツを通し教育とインスピレーションを受けてきた人生を経て、今ここに立っております。
私が十代の頃、スポーツは私の眼を世界に向けて開いてくれました。
私がオリンピアンになった時、世界のまさに最高レベルで競うということを教えてくれたのはスポーツでした…ユニークな精神を持って…、いつまでも色あせない友情を築きました。ここにいらっしゃる多くの方々ともです。
またこの2年間、スポーツが如何に人々を結びつけインスパイアするものなのか、幾度となく教えられました。佐藤真海さん達の被災地訪問や、2012年ロンドン大会で笑顔を見せていたボランティアまで…そして、東京でのアスリート達のパレードに集まった大観衆。
素晴らしいアスリートたち、感動を与えてくれたアスリートのパフォーマンス、そしてオリンピックの価値を実際に目の当たりにすることができた私は、幸運です。とても幸運です。
私のゴール…そして私のチーム全員のゴールは、この困難な時代に、オリンピックの価値に忠実に、できる限り多くの人々に、スポーツのすばらしさを伝えるべく力を尽くすことです。
今回の招致に向けた旅の中で、私はこれらの問題について皆様の多くと話し合ってまいりました。そして、私達が共有している、共に前進したいという願いが、新しい世代のためにスポーツを保護するのだと楽観しています。
会長、そして皆様…その旅は、ここ、ブエノスアイレスから始まります。
これからの数日間は、今後長年にわたるオリンピック・ムーブメントの道筋を定めることとなるでしょう…グローバルなスポーツの恩恵という正当な根拠をもって重要な決断を下す、非常に大きな責任があるのは、そのためです。
本日の私達の立場は、シンプルです。
東京に投票してください。それは、保証された開催への投票です。
東京に投票してください。それはあらゆる意味で素晴らしさを経験できる大会への投票です。
東京に投票してください。それはスポーツに恩恵をもたらすグローバルなビジョンへの投票です。今日から2020年まで、そしてその後何十年にもわたって。
東京は、最適な時期における最適なパートナーなのです。
確実に開催できる都市。
オリンピックの価値を共有して守る国。
オリンピックの貴重な価値を支援するために皆様とともにたゆみなく努力する人々。
本日、私のチームとすべての日本国民を代表し、誇りをもってここにオリンピックを招致いたします。
また皆様に、私個人としても次のことをお約束します…
2020年東京大会では大きなレガシーをつくりだすこと…
巨大な機会を実現すること…
そしてスポーツが…オリンピック・ムーブメントそのものが…最大の勝者となることを。
会長、これで東京のプレゼンテーションを終わります。ありがとうございました。