落ちこぼれて、バカにされる人の「15の行動」
バカにされる人に共通するものとは
今回は、落ちこぼれて、バカにされる人の行動を私の20数年の観察にもとづき、紹介します。落ちこぼれとは、次のような人を意味します。同世代の中で昇格が明らかに遅い人、専門職として認められない人、転職をしようとするものの、内定をなかなか得ることができない人、転職先にもなじむことができずに、数年以内に退職し、キャリア・ダウンをしていく人などです。
このうえに、バカにされる人は次に挙げたような行動をとる傾向があります。これらすべてとはいわずとも、半数近くは該当するはずです。皆さんの周囲に、落ちこぼれて、バカにされる人はいませんか。その人たちの行動を思い起こしながら、読み進めてください。
1.他人の目を意識しない身なり
ワイシャツがズボンから出ていたり、背広のサイズが体に明らかに合わない。ネクタイの色や柄が、シャツや背広とマッチしていない。これでも、毎日、堂々と出社する。身なりに問題があると、周囲が軽く扱うことに気がついていない。仕事の成果や実績を上げるためには、周囲の力が不可欠。「だらしない奴」と軽くみられていると、支援を受けることなどありえないのだが、「同じ会社にいる以上、自分はいつでも協力を得ることができる」と思い込んでいる。
2.会議の場で要領を得ない発言をする
会議でピントがずれた発言をする。話の流れを踏まえないこともさることながら、部署や会社の置かれている現状認識に事実誤認が多い。しかも、その認識はビジネス書などの受け売りで、相当に浅はかなもの。部員の誰もが、そのレベルは心得ている。ところが、自分だけが知っていて、部員は知らないと思い込む。そして、説教口調で話す。皆が心の中でばかにして笑っているのに、気がつくことなく、真剣に話し続ける。
総スカンになる理由
3.人の話を聞かない
自分の話は「聞け!」と言わんばかりにまくし立てるが、人の話を聞こうとはしない。メモをとることもしない。自分の考えと重なるところにだけ、「そう、そう、そう」などと反応する。それ以外は関心なし。そもそも、周囲に気をつかうこともしない。仕事が1人で成り立つ、と真剣に思い込んでいる。成果や実績に乏しいのは、周囲からの支えがないからであることにいつまでも気がつかない。
4.間が悪い
人と良好な関係をつくることができないから、周囲や部署、会社の情報に乏しい。例えば、意見を言う場合はタイミングが極端に悪い。皆がその仕事をスタートした後や、コンセンサスを得た後で、まじめに言い始める。もちろん、コンセンサスが出来上がるまでの議論に加わることもしない。そのプロセスで、皆がいかに苦労をしたかにも配慮をしない。だから、総スカンになる。
5.会社員でありながら、一匹狼を気取る
会社員とは、組織の人。組織の中で認められ、評価され、上に上がる。認めるか否かは、あくまで上司であり、上層部。この現実を受け入れることなく、傍若無人な発言や行動を取り続ける。それでいつの日か、認められると思い込む。フリーランスに近い言動にみえなくもないが、フリーで生きていくほどの技能はない。たとえ、なったとしてもあらゆる面でレベルが低いから、たちまち、収入を失い、数年以内に無職になる。その意味で、「無職のフリーランス」。こんな自分を省みることもなく、会社員をしながら、「自分は組織を離れても、生きていくことができる」と信じ込んでいる。
6.興奮しやすい
「自分がこれだけがんばっているのに、認められない」という不満を常に持つ。実は、誰もがそのくらいはがんばっているのだが、そのことに気がつかない。極端ともいえるほどの自己中心的で、ナルシストであり、悲劇のヒロイン志向。だから、意見などが否定されると、興奮する。恥じらいもなく、感情をむき出しにして、自分の言い分を通そうとする。一方的に話し終えると、何事もなかったかのように、笑顔をみせることすらする。
決まって仕事はろくにできない
7.整理能力が極端に低い
机の上や引き出しの中は、錯そう状態。上司が「あの書類をみせてくれないか」と言うと、それを見つけるのに少なくとも5分はかかる。探した挙げ句、真顔で「ありません」と答えることもある。その間、人件費が発生しているという意識はない。パソコンのデータも、錯そう状態。会社から貸与されたパソコンといった思いもなし。錯そうは、頭や心の混乱を意味することも心得ていない。上司たちがそのような姿をみて、軽く扱うことにも警戒心がない。
8.誰も求めていない仕事や役割をしようとする
部署の中でさほど重要でもない仕事に率先して取り組む。そもそも、仕事を重要度や緊急の度合いなどで、ランクづけることができない。そのようなことを心得ていても、それぞれの仕事の大枠やポイントを本当の意味では理解していない。すべてが「重要な仕事であり、しなければいけない仕事」と思い込む。結果として、誰も求めていない仕事や役割をしている。そんな姿を皆が疑問や怒りのまなざしでみていることに、気がつかない。しかも、「重要ではなく、しなくともいい仕事」を抱え込み、忙しそうにすることすらある。
9.同じミスを繰り返すが、ミスをミスとは思わない
仕事をするうえでミスはつきものだが、それを執拗に繰り返す。ミスをミスとして受け入れていない。それどころが、上司や周囲、さらにはクライアント、お客さん、さらには会社の責任になすりつける。「常に自分は正しく、常に周囲が悪い」と信じ込む。ミスをしたことで、周囲に迷惑をかけている自覚は一切ない。ところが、他人のミスには敏感。実は、ミスとはいえないレベルのものであることも知らない。仕事の大枠やポイントを心得ていないから、何がミスで、何が上手くいっているのかを把握していない。
それでも、知ったかぶりをする。
10.仕事のポイントを押さえない
それぞれの仕事には必ず、ポイントがある。この部分を同世代の社員よりも速いスピードで、正確にできると、上司は「仕事の勘所をわかっているな」と思うもの。落ちこぼれて、バカにされる人は仕事の隅々まで全力投球でしようとする。これで泥沼化する。会社のほとんど仕事は、それほど難しいものではない。だからこそ、配置転換や評価ができる。難易度があまりにも高いならば、配置転換はできない。仕事の成果などでほかの社員と差がつくときは、まさしく、ポイントの部分になる。ここを重点的にマスターするべきなのだが、しようとしない。
恥という意識がなく未練がましい
11.仕事を消化するスピードが異様に遅い
ポイントをマスターしていないから、仕事をする際にメリハリがつかない。ミスも多い。おのずと、消化するのが同世代の社員よりも遅くなる。そのとき、「なぜ、これほどに遅いのか」と振り返ることをしない。自らの仕事に、PDCAサイクルを回す発想はない。むしろ、「そこそこのスピードで処理している」と思い込む。周囲には関心がないから、いかに自分の出来が悪いのかを知らない。
12.毎日、恥じらいもなく、出社する
明らかに周囲の反感を買い、上司も密かに泣いているのだが、毎日、恥じらうことなく、出社する。出社時間のギリギリが多い。上司はともかく、周囲には挨拶をきちんとすることもない。一応は机に向かい、ため息をついたりしつつ、パソコンを起動させる。電話が鳴っても、20代前半の社員に任せて、自分は積極的に出ようとはしない。さしたる仕事をしていないはずなのだが、自らを一人前の戦力と思い込み、仕事らしきことをする。実際は仕事とはいえないレベルの、メールの処理でしかない。本人は、自信満々で返信をしている。そこには、恥という意識がない。
13.未練がましく、会社に残る
同情をひくために、時折、「もう、辞める」と口にしながら、絶対に辞めない。密かに転職活動をするが、あっという間にあきらめる。履歴書などの書類すら選考されない。労働市場においての価値は、ゼロに等しい。未練がましく、残りつつ、給料や賞与の額が少ないと不満まで言い始める。そこには、誇りもプライドも、見栄もない。ひたすら、会社に残る。そのままいればいつか、自分にも明るい未来が来るという妄想に浸る。
14.何が言いたいのか、まったくわからない
会議にしろ、日々の仕事にしろ、電話でもメールでも、何が言いたいのか、誰もがわからない。実は、本人も何が言いたいのかをわかっていない。仕事の大枠もポイントも、部署のことも会社のことも、パーフェクトに理解していない。それでも、何かを発言しようとするから、皆が混乱し、困り果てる。職場の空気を読むことができない。
行動がトリッキー
15.ブログが唯一の友達
社内には当然のごとく、友人はいない。話す相手の大半が落ちこぼれで、バカにされている人。社外には、もちろん、友人などいない。唯一の友達は、ブログ。ここでは、大胆不敵になる。匿名ということもあり、心の中で思っていることを繰り返し書く。キーワードは、「会社にぶら下がるな!」「社畜になるな!」。語彙力が貧弱であり、表現力に乏しい。時折、「終身雇用・年功序列、打倒!世代間抗争!」と書くこともある。実は終身雇用・年功序列の実態も、それらの意味も正確には知らない。「世代間抗争」と書くが、20代前半の社員からバカにされていることも感じ取れない。
落ちこぼれて、バカにされる人を観察していると、飽きないものです。会社員の頃の、私の上司の言葉を借りると、「行動がトリッキー」なのです。あらゆることに一生懸命に取り組みますが、そのいずれもが失敗したり、途中で暗礁に乗り上げたりします。それでも、本人はどこ吹く風で、まじめに出社を続けます。皆は、「もう、辞めてほしい」と願っているのですが、その祈りは届きません。だからこそ、一段とバカにされるのです。
読者の皆さんの周りにも、落ちこぼれて、バカにされる人が少なからずいるはずです。こんな社員になってはいけない、という「反面教師」としてマメに観察するべきです。そして、今後に生かしていくべきでしょう。
吉田 典史(よしだ・のりふみ)
2014年6月25日