■5月10日(日)
小鳥が必死に救助
大けがの小鳥、パートナーが必死に救助 岩手で撮影
2009年5月10日 朝日新聞
道路上で大けがをした小鳥をパートナーとみられる小鳥が必死で救おうとしている様子を、日本野鳥の会宮古支部会員の佐々木繁さん(65)が先月、岩手県宮古市内で撮影した。
小鳥の種類はヒガラ。シジュウカラ科の中でも小さく体長約11センチで、全国の針葉樹林に生息し、5〜7月に産卵を迎えるという。
佐々木さんによると、4月22日、同市崎山の道路で乗用車を運転中、激しく争っているように見える2羽のヒガラを発見したという。車を止めてカメラを手に約3メートルまで近づくと、2羽は争っているのではなく、大けがをした1羽をもう1羽が必死で助けようとしている様子だった。
佐々木さんは、「繁殖のため、つがいでえさの昆虫を車道まで取りに来て、車に衝突したのでしょう」といい、「鳥のつがいのきずなが深いことは知っていたが、自分もはねられそうになってまで相方を救助しようとする姿に心を打たれた」と話す。
救助しようとしていた1羽は、約5分後に飛び立ったため、佐々木さんはけがをして虫の息だった1羽を草むらに移して現場を後にしたという。
10日から愛鳥週間。佐々木さんは「野鳥たちは繁殖の季節に入るので、親子の野鳥にむやみに近づいたり、落ちたヒナを持ち帰ったりしないで」と野鳥保護を呼びかけている。