(平成26年5月3日 武田邦彦先生のブログより)
人を苦しめるもの第4回 男女の愛は続く?
「三年目の浮気」と言う。それは当然で、「愛は崇高なものだ」という錯覚にとらわれているからそうなる。
もともと、男女の愛は動物的なもので、子供を作るための衝動だ。
だから、三年も経てば飽きるに決まっている。
でも、オオカミは獰猛と言われるけれど、結婚したら絶対に離婚しない。
それは、広い狩場で自分と遠い遺伝子を持った連れ合いを見つけ、愛をもとに結婚するが、ともに縄張りを作ってからは「家族の愛」に変わるからだ。
動物の一生でもっとも大切なことは、「次世代を育て、次世代が生きていく環境を整える」ということだ。
そのためには二匹で子供を産み、育て、縄張りを守り、敵が来たらオスが戦いメスはその隙に子供とともに穴倉に逃げる。
男女の差別があるのではない。
共に協力して家庭を営むのである。
男女の愛から家族の愛へ、これは子供を産む男女の愛から、子供を育てる家族の愛へと変わるごく自然の心の動きである。
そして女性(メス)が一所懸命に子どもを育てている間、男性(オス)は子供が成長したら住む場所を必死で確保する。
その戦いの中で命を落とす男性(オス)も多いが、それもまた親の愛である。
人間は頭脳がいびつで、総合的にものを考えることができない。
だから結婚していつまでも男女の愛が続くと考えているので、破たんする。
一組の夫婦に子供がいなくても、それは同じである。
集団性の動物は「集団として次世代を作る環境」が問題であり、個別のことは意識しない。
男女の愛から、家族の愛へ、それだけわかっているだけで多くの家庭が幸福になるのではないかと私は思う。
(平成26年5月3日)