【毒親の特徴】うちの親は? 自分は? チェックリストでわかる「無意識な毒親」と「健全な親」決定的な違い
シェリー・キャンベル
2023.9.12 3:35
DIAMOND ONLINE
親子関係の問題は、家庭という閉鎖的な空間で生じるものだからこそ、解決が難しいといえます。
外部の目には一見、理想的な家族に見えていても、実はその中にいる当事者にとっては地獄に等しい親子関係であるケースも多々あります。
そして自身の異常な親子関係の体験を訴える当事者に、外部の人は信じてくれないどころか「そんなことを言う、あなたのほうがおかしい」と、さらに傷を深くえぐるような言葉を投げかけてくることさえあり、当事者は自分の苦しみが理解されることはない、とあきらめ、口を閉ざすしかないという現状があります。
自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。
絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……
ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が自身の体験を綴った『幸せになるには親を捨てるしかなかった』から、再構成して紹介します。
本書では絶縁までの道筋だけでなく、これまであまり語られることのなかった親との絶縁後に起こった実体験も生々しく語られています。
毒になる人々の特徴
毒家族についてもっとよく知るために、何をもって「毒」と呼ぶのか、まずはその特徴について知っていきましょう。
あなたの毒家族の特性を特定することで、あなたが相手にしているのがどういう性質のものなのか、より具体的にわかるでしょう。
これらの特性を見れば、彼らが実際に「毒」と診断されるような人間であり、彼らが言うような、あなたの空想や被害妄想などではないということがわかります。
彼らは次の特性のうちの複数に当てはまる可能性が高いでしょう。
■自分が一番注目されていないと気が済まない。
■大げさに芝居がかった言動をする。
■身体的な見た目を過剰に気にする。
■常に励まされ、承認されたがる。
■批判や否定に過敏。
■すぐにイライラする。
■向こう見ずな判断をする。
■人間関係を維持できない、人間関係が浅いか、まがい物。
■注目を得るために自殺をほのめかす、またはくわだてる。
■実績や才能を誇張する。
■自分のほうが優れていると思い込んでいる。
■会話を独占する。
■えこひいきや絶対的な追従を期待する。
■他人を利用する。
■嫉妬深く、他人を貶める。
■傲慢または横柄な態度。
■特別扱いを要求する。
■感情と態度を制御できない。
■ストレスにうまく対処できないか、変化に順応できない、またはその両方。
■皮肉屋で辛辣。
■消極的で無力な人間を装い、大人としての責任を逃れる。
■捨てられることを極度に恐れる。
■悲観的またはネガティブな人生観。
■1人でいることを嫌う。
■善悪を軽視する。
■何度も嘘をついたり騙したりして他人を利用する。
■他人に対して冷淡かつ冷笑的で、他人をないがしろにする。
■自分の利や快楽のために、人をたぶらかしたり策を弄したりして他人を操る。
■極端に独善的。
■犯罪行為など、警察沙汰を繰り返し起こす。
■脅迫や詐欺などで他人の権利を繰り返し侵す。
■他人への共感性に欠け、他人を傷つけることに罪悪感を覚えない。
■自分の言動が悪い結果に繋がることを予測したり、その経験から学ぶことができない。
このリストを見て、絶縁を決めた自分の判断に自信を持つか、これから絶縁する勇気を持ってもらえたなら嬉しいです。
このリストを見て、あなたが経験してきたことが本物の虐待と支配だと確信できたでしょう。
毒家族と健全な家族の違い
どんな人でも「毒」の特徴や態度を見せることはあります。完璧な人などいないのですから。
これから毒親の例を中心に話をしますが、この知識は親以外の他の毒家族にも当てはまります。
どんな親でも図らずも子どもを傷つけてしまうことはあります。
どれほど健全な親でも、子どもが親の愛情を必要としているときに必ずそれを与えてあげられるわけではありません。
もしあなたに子どもがいるのなら、きっと親として深く後悔した瞬間があるでしょう。
ですが、そのような過ちは子育てにおいてままあることで、そのせいであなたが毒親であるということにはなりません。
子育てを完璧にこなせないのは、人間的で、ごくあたり前のことです。
そんなとき健全な親なら、子どもを傷つけてしまったことをひどく後悔します。
自然に湧き起こる罪悪感と自責の念に駆り立てられて、償おうとするでしょう。
間違っても、自分を恥じる気持ちを子どものせいにして、自分を正当化しようとはしないはずです。
しかし毒家族はそれをします。
脆い心を持った彼らにとっては、自分が嫌な思いをする理由を誰かになすりつけるほうが楽なのです。
毒親は子どもの無垢な心を捻じ曲げ、何も欲しがらずに大人しくしてさえいれば、親ももっといい親になってくれるのだと子どもに信じ込ませます。
子どもは親が間違っているとは見抜けません。
自分が原因ではない行動やトラブルの責任を不当に被らされ、知らぬ間に罪の意識を吸収し背負い込んでしまいます。
そんなことが起こるたびに、子どもは自分が「悪い子」なのだと思い込むようになるのです。
私やあなたを含め多くのサバイバーは時間とともに、自分が本当の意味では家族に愛されていないという辛い現実を受け入れます。
しかしそれは、私たちが出来損ないの子ども、兄弟、あるいは、いとこだからではなく、家族が愛情そのものを大切にしていないからです。毒家族が価値を見出すのは愛情ではなく力なのです。
私の場合は、母に偽りの愛情を向けられていました。母は、母親として私を愛さなければならないから愛そうとしているに過ぎないと、私は常々感じていました。私を愛することは義務だったのです。
現に、母が本当は私を軽蔑していたのをいつも感じていましたし、他の家族との扱いに差があるのを知っていました。
確かに、母に優しくされ気にかけられたこともありました。効果的に相手を支配するにはそういった態度も必要です。
そのせいで私は母に愛されているかもしれないという希望にしがみつきましたが、それでも心の奥底ではずっとわかっていました。
母の本当の気持ちは、表情や仕草、声のトーンに表れていましたから。
相手に本当に愛されていれば本能的にそれがわかるものですが、私が母からの愛を感じることはありませんでした。
家族から本当に愛されていると感じたことがあるか、思い出してみましょう。
家族から愛されていないと気づいたときにどう感じましたか。そしてその感情をどう受け入れましたか。
あなたが当然家族から与えられるべきだった愛情を、これまでずっともらえていないと心の底から確信したならば、次はあなた自身を虐待から守るための選択をするべきです。
※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳
『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。