そして、次の回で、今度はエイズの話をしていました。
今、世界は、エイズという病気のために、人類は絶滅の危機にあるんだそうですね。
日本ではあんまりわからないけれど、本当に絶滅の危機にあるんだそうです。
けれども、「絶滅はしないでしょう」と番組では言っていました。
なぜならば、エイズにかからない人がいるということがわかったからです。

アメリカのある一人の男の人がいました。
その男の人は、女の人を好きになるんじゃなくて、男の人が好きになっておられる方だったんですけど、恋人がエイズで亡くなっているから、自分もエイズにかかっているのだろうと思っていたんですね。
ところが、エイズにならない、おかしいなと思って、病院に行って、調べられたら、あることがわかったんだそうです。

それはどんなことかというと、今から700年前、スペインのある村で、ペストが大流行したんですね。
で、その病気で、みんな、どんどんどんどん死んじゃうんですけど、村人の何人かだけが生き残ったんだそうです。
その何人かは700年の間に、だんだんだんだんと人数が増えて、たくさんの人数になったんですね。
この人達はエイズにはかからないということがわかったんだそうです。

それで、人体Vでは、すごく不思議なことを言っているんですね。
もし、百年とか、二百年後とかで、エイズが発生していたら、人類は滅んでいたでしょう。
それでは、人類を救うだけの数に、子孫の数が足りないんだそうです。
三百年でも四百年でもだめなんだそうです。
ちょうど地球を救うだけの数になるのには、七百年かかるんだそうです。
まるで七百年後にエイズが大流行することを、知っていたかのように、七百年前にスペインで病気が発生している…
そんな不思議なことを言っていました。

そして、その番組で、こんなふうに柳澤桂子さんが言っておられます。

「私たちが今、元気に明日に向かって歩いていくことができるのは、
過去に、病気や障害を持って、苦しい生活を送ってくれた人がいるおかげである。
もしその人がいなかったら、私たちは今、ここにいないでしょう。
今、私たちの世界にも、あの、生きているこの社会にも、障害や病気を背負っている人はたくさんおられます。
その人達は、私たちが、未来の私たちの子孫のためにも、支えていかなければならない、大切な人たちなのです」

とそんなふうに人体Vという科学番組では言っていました。
私はそれがすごくうれしかったので、雪絵ちゃんにそのことを伝えたら、雪絵ちゃんもそのことをすごく喜んでくれました。

「私たちだけが知っていたらもったいないね。たくさんの人が知っていてくれたらいいね」
と雪絵ちゃんは言いました。

それが8月でした。

 

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