小泉総理インタビュー

平成18年9月25日

 

【質疑応答】

 

【質問】 5年5ヶ月、日本の政治のリーダーを務め、自民党の派閥政治を変え、日本の政治をやってきたわけですけれども、日本を良い方向に引っ張ってきたという自信はありますか。

【小泉総理】 そうですね。経済も低迷していた時期に総理に就任しましたけれども、その頃から、国会でも日本はダメだと、何やってもだめだと、この景気回復は小泉が退陣しなければ無理だといわれましたね。ただ、改革なくして成長なしじゃないと、公共事業を積み上げてね、成長なくして改革なしなんだと、そういう論争を重ねて、結局、経済も回復してきたと、やれば出来るじゃないかと意欲も出てきた、改革なくして成長なしだなと、これにも結論が出たと、良かったと思いますね。これも国民の皆さんの支持があったからだと思っています。

【質問】 高い支持率を維持したままやめることについてはどうお考えですか。

【小泉総理】 これはもう、任期は最初から決っているんですから、それに従うのが普通じゃないでしょうか。

【質問】 在任中、一番辛かったのはどの局面で、それをどう乗り切ろうとしましたか。

【小泉総理】 いつも緊張と重圧の中でやってきましたから、これは辛くても当たり前なんだと、天がこの辛さに耐えるように仕向けているんだと、これを乗り越えなければいけないということでやってきましたからね。これ、ある程度辛いのを覚悟して総理大臣になったわけですから、これが当たり前だなと、辛い時が来る度にそう思ってやってきましたから。

【質問】 具体的に思い出す場面はありますか。

【小泉総理】 みんなそれぞれね、大事な局面で、どれがということよりも、そういう辛さを乗り越えてきた、それが良かったと思ってますね。

【質問】 外交では、ブッシュ大統領との親交を築き、初めての北朝鮮訪問も行いましたが、日朝国交正常化を果たせず、中国・韓国との冷え込んだ関係を次の政権に引継ぐということになりますが、後悔の念はありませんか。

【小泉総理】 ありませんね。中国との、韓国との関係も、こういう時期は必要だと思っています。

 先ずね、私が首脳会談を中国と韓国と拒否しているんじゃありません。一つの問題があるからといって、首脳会談を行わないのはいいのかどうか。自分の国に対して不愉快なことがあったからね、首脳会談を行わないことがいいのかどうか。これ、後になれば分かると思いますね。

 それと靖国参拝、これについてもこの一つの問題だけでこだわってね、首脳会談を行わないというのは、みんなおかしいと思っているんじゃないでしょうか。中国だから、韓国だから、そのことを言うとおり聞きなさいと、そうすれば首脳会談行いますよと、どっちがいいのか、これは冷静にね、時間が経てば、やっぱり中国・韓国おかしいんじゃないかと、外国の首脳もそう思っているんですね、実際話してみて、私が説明すると。日本の国民も、靖国参拝をするというのが、これ戦没者に対する哀悼の念を表するんだと、別に軍国主義を正当化したりね、過去の戦争を正当化しているんじゃないというのが分かっているんですね。

 それから、憲法違反であるという人もいますけれども、これも伊勢神宮に毎年参拝してね、神道形式に則って参拝しているのが憲法違反という声は何も起きない、靖国参拝だけに起きる、ですから、靖国参拝を批判する人が、私のこの論に反論できないんですね。私はよく説明しているんですよ、そう思いませんか。ですからこういう問題、後になってみて、やっぱり中国・韓国の方がおかしかったんじゃないかと、こういう時期があってよかったなと、私は日中の友好論者ですし、日韓の友好論者で、就任以来、中国とも韓国とも交流をあらゆる分野において広げてきています。こういう時期は良かったと思っています。後で評価されると思います。分かると思います。

【質問】 郵政民営化の時には、自らを非情だと評しましたけれども、今振り返ってどんな思いですか。

【小泉総理】 いや、当然のことをやったと私は思っています。郵政民営化は改革の本丸だといって総理に就任して、その法案を出して、国民の支持を受けて実現したと。ある時は非情といわれるかもしれませんけれども、国民全体にとって、これは温情だったと、必要な改革だったと、時間が来れば理解してくれると思っています。

【質問】 安倍新総裁の党役員人事、どう受け止めていますか。

【小泉総理】 よく考えた、適材適所じゃないかなと思っています。

 ありがとうございました。