07年3月28日NHK「そのとき歴史は動いた」で紹介した言葉ベスト20
*一部は要約・意訳して引用しています。
20位 天草四郎
「いま籠城している者たちは来世まで友になる」
『四郎法度書』より
19位 吉田松陰
「死して不朽(ふきゅう)の見込みあらばいつでも死ぬべし 生きて大業(たいぎょう)の見込みあらばいつでも生くべし」
『吉田松陰全集 普及版(安政6年7月中旬、晋作宛の手紙)』より
18位 徳川家康
「三河武士は宝を持ちません しかし あえて宝といえば 私に命を預けてくれる五百騎の武士(もののふ)たちでありましょう」
『寛元聞書』より
17位 中岡慎太郎
「志とは 目先の貴賤で動かされるようなものではない 今 賤しいと思えるものが明日は貴いかもしれない 君子となるか小人となるかは家柄の中にはない 君 自らの中にあるのだ」
『中岡慎太郎全集(文久元年十一月二十六日 北川竹次郎宛手紙)』より
16位 藤堂高虎
「寝室を出るときから今日は死ぬ番であると心に決めなさい その覚悟があればものに動ずることがない」
藤堂家の家訓が記された『遺書録』より *『高山公實録(こうざんこうじつろく)』(編・発行上野市古文献刊行会)に所収されています。
15位 黒田官兵衛の言葉
「我 人に媚びず 富貴(ふうき)を望まず」
『黒田家譜』より
14位 劉備玄徳
「大事をなすにはなによりも人をもって本(もと)となす 今 自分をしたってきてくれている人々をむざむざと見捨てて行けるか」
『正史三国志』より
13位 柳生宗矩
「こうしようと一筋に思う心こそ人が誰しも抱える病である この病を必ず治そうというこだわりもまた病である 自然体でいること それが剣の道にかなう本当にこの病を治すということなのである」
『兵法家伝書』より
12位 近藤勇
「孤軍たすけ絶えて俘囚(ふしゅう)となる 顧みて君恩(くんおん)をおもえば涙更に流る 義を取り生を捨つるは吾が尊ぶ所 快く受けん電光三尺の剣 只将(ただまさ)に一死君恩に報いん」
(原漢文より一部抜粋)*辞世の詩。原文は漢文のため様々な訓読がありえますが、今回は木村幸比古氏『新選組局長近藤勇』(淡交社)の訓読を参考しました。
11位 上杉鷹山
「成せば成る 成さねば成らぬ何事も 成らぬは人の成さぬなりけり」
『なせばなる文書』(米沢市上杉博物館蔵)より
10位 白洲次郎
「われわれは戦争に負けたのであって奴隷になったわけではない」
『占領秘話を知り過ぎた男の回想』より
9位 武田信玄
「上杉謙信とは和議を結ぶように謙信は男らしい武将であるから 頼ってゆけば若いお前を苦しめるような行いはすまい 私は最後まで謙信に頼るとは言い出せなかった お前は必ず謙信を頼りとするがよい 上杉謙信はそのように評価してよい男である」
『甲陽軍鑑』より
8位 石田三成
「筑摩江や 芦間に灯すかがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり」
辞世の歌。長浜市石田神社の石碑に刻まれています。「筑摩江」とは琵琶湖の東北岸沿いの土地の呼び名で、ここは三成の故郷でした。この歌は死を前にした三成が、湖岸のかがり火のはかない明かりに自分の姿を託して詠んだもの伝えられています。
7位 杉原千畝
「私のしたことは外交官としては間違ったことだったかもしれない しかし 私には頼ってきた何千人もの人を見殺しにすることはできなかった 大したことをしたわけではない 当然のことをしただけです
『六千人の命のビザ』 より
6位 織田信長
「是非に及ばず」
『信長公記』より
5位 大和の海軍士官
「日本は進歩ということを軽んじすぎた 私的な潔癖や徳義にこだわって真の進歩を忘れていた 敗れて目覚める それ以外にどうして日本が救われるか 今目覚めずしていつ救われるか 俺たちはその先導になるのだ 日本の新生にさきがけて散る まさに本望じゃないか」
元乗組員による大和沖縄特攻を描いた手記『戦艦大和の最期』より
4位 坂本龍馬
「日本を今一度せんたくいたし申候」
『文久3年(1863年)6月龍馬の姉への手紙』より
3位 山本五十六
「百年兵を養うはただ平和を守るためである」
『戦史叢書 ハワイ作戦』より
2位 諸葛亮孔明
「学問は静から 才能は学から生まれる 学ぶことで才能は開花する 志がなければ学問の完成はない」
孔明が子孫に残した家訓『誡子書』(諸葛鎮の大公堂に保管)より
1位 高杉晋作
「おもしろきこともなき世をおもしろく…」
『高杉晋作』(奈良本辰也著)より
番組で紹介したそのほかの言葉
谷川賢作さんの選んだ言葉 夏目漱石「ああここにおれの進むべき道があった!ようやく掘り当てた!」 大正3年の講演『私の個人主義』(岩波書店「漱石全集」所収)より。
黒鉄ヒロシさんが西郷のものとして紹介した言葉 「日本中が雨漏りしている」 『南洲百話』(山田準著)に記述があります。
荻野アンナさんが紹介した自分の好きな言葉 「生きよ 堕(お)ちよ」 坂口安吾が『堕落論』などの著書でそうした趣旨を述べています