■1210日(木)

義足の少女の作文

 

生まれつき左足がなく義足をつけて生活している熊本の藤崎未夏(みか)さん(小4)の作文

 

 

「気持ちを伝えたい」

藤崎未夏

 

私は、生まれつき左足がなくて、義足をつけています。

学校生活の中で、足がいたい時やプールの時など義足をはずす時があります。

 

四月になり、一年生が入って来ました。

一年生は、まだ入って来たばかりで、私の事を知りませんでした。

 

五月に運動会の練習が始まりました。

体育館での練習の時、半そで半ズボンにはだしでダンスの練習をしていました。

半ズボンだったので、義足をはめた足が目立っていました。

その時、一年生が何人か集まって、 「にせ物の足だ」 と言いました。

私は、すごくいやでした。

今までも、同じような事を言われてきたからです。

だから、いつも足が見えないように、長ズボンばかり着ていました。

そして、いろいろ言われるのがこわくて、にげるように義足をかくしていました。

本当は、何を言われても気にせずに、どうどうとしていたいと思っていたけど、その勇気がありませんでした。

だから「にせ物の足」と言われた時も、がまんしていました。

 

授業が終わり、担任の先生に相談しました。

先生は、 「一年生に足の事を話してみようか」 と言いました。

私は、みんなの前で話せるか、自信がなくてまよっていると、先生が、 「話してみようよ」 とはげましてくれました。

 

その夜、私は一年生に話す文を考えました。

内容は、「どうして足がないのか」とか、「みんなと同じことが出来る事」とか、「義足をはめた時は、どんな感じなのか」など、一年生にも分かるように書きました。

 

一年生教室に話しに行きました。

三人の友達が、一しょに来てくれました。

一年生は、私の話しを、 「すごい。」 と言って聞いていました。

その後、みんなの前で義足をはずした姿を見せました。

一年生は、びっくりした様子で私を見ていました。

その時私は、「やっぱりここでやめようかな」と思いました。

でも私は、勇気を出して見せたり、質問をうけたりしました。

その質問は、 1「走っている時義足は、はずれないの」と 2「手じゅつをする時は、いたくないの」 などの質問です。

その時私は、こう答えました。

1つ目は、 「ゴムみたいな所がすべり止めになるから、はずれません」 と答え2つ目は、 「ねむっているから、いたくないです」 と答えました。

 

一年生に、義足の事を分かってもらうために、話をして、いやだった事とか、分かってほしいこととか、自分の気持を伝えられたし、一年生の気持ちもよく分かったのでよかったです。

これからは、「にせ物の足」と言われないと思うと「ホッ」としました。

 

勇気を出して話をしたことで、少しずつ自分の気持ちが変わりました。

いやだった半ズボンやスカートがいやじゃなくなり、どうどうとできるようになりました。

 

今では、一年生とも仲良く遊んだりしています。

だれも「にせ物の足」と言わなくなりました。

 

先生や友達から、勇気をもらって、自分の気持ちを一年生に伝えられました。

ありがとうございました。

これから、新一年生や新しい友達と出会った時は、勇気を出してどうどうと、自分の気持ちを伝えたいです。

 

 

 

(全文)

 

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